建築学部に入学する際に重要な事の一つが【パソコン選び】です。
私は今でこそデジタルツールを駆使して建築業界で働いていますが、学生時代にはあまりパソコンについて詳しいとは言えませんでした。
なんとなくMacを購入ましたが、今考えると「Mac以外の選択肢も検討してから購入するほうが良かった」と少し後悔しています…

これから建築の勉強を始める方に後悔してほしくないので、何も分からない所から自分でパソコンを選ぶことができるようにポイントをまとめます。
ちなみに、建築業界でよく使われているパソコンはWindowsの場合がほとんどです。
私も設計職で数回転職していますが、もれなくWindowsでした。特に、エンジニアはほぼWindowsと言っても過言ではありません。

でも、Windowsパソコンはたくさん種類があるので、どれを購入すべきか分かりにくいかもしれません。
そしてMacbookなどの選択肢も並行して考えないといけないので大変です!
本文では、建築学生がパソコンを買うときにどうやって選べばいいのかを分かりやすくまとめています。
簡単な結論としては「自分がやりたいことに合わせてスペックを選ぶ」ことが重要です。

panna
建築業界で設計とBIMの仕事をしています。
以下のデジタルツールやプログラミング言語が好きです。
Rhino, Grasshopper, Revit, Dynamo,
blender, AdobeCC, Unreal Engine,
python, javascript, C#
建築学生は入学後【やりたいこと】に合わせてパソコンを買うべし

建築学生時代を共に過ごす相棒であるパソコン購入で後悔しないように、選ぶ際のポイントを紹介します。
繰り返しになりますが、結論は次の通りです。
入学後【やりたいこと】に合わせてパソコンを買いましょう!

建築学生さんは、この考え方を持ってパソコンを選べば後悔する可能性をグッと抑えることができます。
パソコン選びで後悔するパターンは「やりたいことができない」状況に陥るパターンくらいです。
見た目などのデザインは微妙と思っても使い続けると愛着がわきますし、ある程度あきらめがつきます。笑
しかし、やりたいことができないストレスは計り知れないものがあるので未然に防ぎましょう。
やりたいことって何?どんなことがあるの?
自分のやりたいことが明確に定まっている人にとっては選びやすくなるのかもしれませんが、まだはっきりと決まっていないという人もいると思います。私もそうでした。
学生のうちにあれこれ取り組んで自分のやりたいことを見つけたいという人のために、建築学生さんに関係がありそうなところでパソコンのスペックに影響を及ぼす事をまとめます。
- グラフィックデザイン
- CGソフト
- 動画制作
- 機械学習
- 実務で使うソフトウェアの学習
- Windowsソフトの拡張
- BIM(Building Information Modeling)
- VR(Virtual Reality)
- アプリやゲーム開発
- カフェでPC作業(番外編)
- PCゲームがやりたい(番外編)
建築学部に入ったからと言って将来設計をしなければならないわけではなく、幅広い進路が考えられます。
設計以外では、建築現場での管理者(施工管理)や建物のお金を見積もる積算業もありますし、グラフィックデザイナーやアパレルのパタンナー、映画などでのCG作成や動画クリエイターの道に進む人もいます。
他にはプログラミングのスキルを活かしてIT業界へ進む方なども増えてきています。

入学後に見えてくることが多いので、あとから後悔しないようにあらかじめ可能性について考えてみるとパソコン選びも楽になりますよ。
やりたいこと別のパソコン選びのコツまとめ
先ほど挙げたパソコンのスペックに関係する項目について、どんなパソコンが合うのか考えてみたいと思います。
作業をしていくことで新しく興味を持ちそうな内容があれば一例として追加するようにしています。
グラフィックデザイン
AdobeCCやイラストツールのスペック。
快適に作業したい場合のスペックです。
- CPU:core i7 10世代以上
- GPU:ノートを検討の場合はCPU内臓でも動きますが、快適に作業したい方はGeForce GTX 1650以上がおすすめ
- メモリ:できれば16GB、8G
AdobeCCをメインで使いたい方はMacbookなども選択肢に入ります。
オススメのパソコンはこちらです。記事執筆時には大幅に割引されているのでチェックしてみてはいかがでしょうか。

画像クリックで詳細を確認できます
OS | Windows 10 Home 64bit |
CPU | インテル® Core™ i7-10750H |
ディスプレイ | 15.6インチ |
GPU | GeForce® GTX 1650 Ti Max-Q 4GB |
メモリ | 16 GB |
ストレージ | 512 GB PCIe SSD |
Lenovoのオンラインショップは定期的に大幅セールがあってコスパが高いのでおすすめです。
次にやりたくなる可能性があるものはCG作成、動画制作
CGソフトでフォトリアルなパースを作る
フォトリアルな建築CGを作りたいという方はグラフィックデザインよりも少し高いスペックのパソコンを選びましょう。
快適に作業したい場合のスペックです。ノートよりもデスクトップのほうがコスパが高くなるかもしれません。
- CPU:core i7 10世代以上
- GPU:ノートを検討の場合はCPU内臓でも動きますが、快適に作業したい方はGeForce GTX 1650以上がおすすめ
- メモリ:できれば32GBで16GB以上は欲しい
例えば無料で始められるBlenderというソフトでは、推奨スペックが公開されています。
Recommended
Requirements — blender.org
・64-bit eight core CPU
・32 GB RAM
・2560×1440 display
・Three button mouse or pen+tablet
・Graphics card with 8 GB RAM
Recommendedは推奨という意味を持つので、公式の考えではこのスペックがいいと考えています。
あくまでも一般的なものなので、超大型モデルになると更にスペックが必要になるケースがあります。

また、このスペックだとノートパソコンよりもデスクトップパソコンのほうがコストパフォーマンスに優れるので、デスクトップのほうがいいのかなと思います。
勉強したら自宅に置いてあるパソコンを自宅の外から操作することもできるようになりますので、高性能なデスクトップパソコンと軽量で持ち運びに優れたノートパソコンの2台持ちもいいかもしれませんね。
デスクトップパソコンの場合は、家電量販店で買うのではなくパーツを選んで組み立てて送ってくれるBTOがとーーーってもおすすめです。(自作できる人はそれが一番コスパ高いですが学習コスト大)

このブログでも度々登場しているFrontierで条件を満たすことができて、コスパがいいPCを発見しました。
画像クリックで詳細を確認できます
OS | Windows 10 Home 64bit(Proにアップグレード可能) |
CPU | インテル® Core™ i7-11700F |
ディスプレイ | 15.6インチ |
GPU | AMD Radeon RX 6600 |
メモリ | 16 GB(32GBにアップグレード可能) |
ストレージ | 512GB M.2 NVMe SSD / 1TB HDD |
こちらのパソコン構成はGPUにAMD社のRadeonを採用しています。
RadeonはミドルクラスならばNVIDIAと比較できるという意見もあって、この構成内のRX 6600はコスパに優れていると言われています。
参考:NVIDIA GeForce VS AMD Radeonの特徴を比較【2022年】| グラフィックボード市場におけるNVIDAとAMDの立ち位置は!?
その評判通り、Frontierで購入できる構成ではNVIDIAシリーズの同じようなレベルのGPU搭載パソコンよりも価格はおさえめでメモリを32GBに上げても20万程度です。

この構成でこのお値段はノートパソコンでは実現できないと思います。
CG作成の次にやりたくなる可能性があるものは動画制作やVRが挙げられます。
動画制作ソフトで魅力的なプレゼンムービーを作る

AdobeのAfterEffectsやPremere Proなどの動画制作ソフトを活用したい方も、比較的高いスペックが求められます。
快適に作業したい場合のスペックです。デスクトップをおすすめします。
- CPU:core i7 10世代以上、本格的にプロを目指す場合はcore i9
- GPU:ソフトによっては必要ないが、NVIDIA GeForce GTX 1660 SUPER以上あればフルHD動画はOK
- メモリ:できれば32GBで16GB以上は欲しい
AdobeCCをメインで使いたい方はMacbookなども選択肢に入ります。
動画制作は取り扱う動画の解像度(フルHDや4K)の違いや動画の長さによって求められるスペックが変わります。(あとは複雑な効果を付けるかどうかなど)
私は別記事で紹介した次のスペックのパソコンでAdobe Aftert Effectsを使用しいますが快適に作業しています。
BTOのミドルレンジ級デスクトップPC(保証込み20万円程度)
- OS:Windows 10 Pro
- CPU:Intel Core i7-10700K
- メモリ:32GB
- GPU:GeForce RTX 3060 Ti
- SSD:512GB
建築業界で機械学習の研究をしたい
特にディープラーニングの研究に興味がある場合はかなりハイスペックなパソコンが必要になります。

私は機械学習の研究者ではないので、研究に必要なスペックは提示しません。
入学する学校にいらっしゃる先生の中で、関連のある研究をしている方に聞いてみましょう。
研究内容によってはとてつもないスペック(個人では管理できない)が必要になります。パソコン自体について詳しくなる必要があり、統計学など数学もしっかりと学んでおくべきでしょう。
その後は解析結果を可視化するためのWEBアプリ開発やWindowsソフトの拡張に興味がわくかもしれません。
実務で使うソフトウェアの学習を進めたい
RhinoやGrasshopperなど、建築業界の実務でよく使われているソフトの学習を進めておきたい場合にはソフトウェアに合わせたスペックが必要になります。
例えば、Rhinoであれば「ライノセラスに必要なPCスペックって?20万円弱BTOパソコンで快適さを検証してみる。」でスペックを明記しています。
他にもたくさんのソフトがあり、専門分野によっても変わります。
- Rhino + Grasshopper
- Revit + Dynamo
- ArchiCAD
- AdobeCC(Illustrator, Photoshopなど)
- TP-planner(建築設計者)
- SS7(構造設計者)
- Rebro(設備設計者)
実務で使われているソフトの学習を進めていくと、ソフトの拡張やBIM・VRの研究に興味がわくかもしれません。
Windowsソフトを拡張したい
Windowsソフトの拡張はC#を使う場合が多く、普通にやろうとするのであればWindowsパソコンで開発を行います。
開発したいソフトウェアに合わせたスペックが必要になりますので、あらかじめ確認するようにしましょう。
建築業界でよく使われているRhinoやGrasshopperを拡張する場合は、Pythonでも機能拡張させることができます。

Pythonの基本構文についてはこちらで紹介しています。
機能拡張をしない方でもPythonを覚えることで様々な効率の悪い作業を自動化できますので、面倒くさいことが嫌いな方ほど覚えるべきかもしれません。
BIM(Building Information Modeling)の研究がしたい
大学でBIMの研究がしたい方はパソコンのスペックに気を配りましょう。
動画制作にて紹介したパソコンスペック程度は必要です。
Autodesk RevitやArchiCADなどのBIMソフト以外にも、様々なソフトや資料を開いての作業になることが多く、総合的に高めのスペックが要求されます。

建築の情報を扱うBIMにおいてパソコンのスペックが低くて処理に時間がかかるのは非常にストレスになります。
紹介したBTO(Build To Order)でミドルレンジ以上のパソコンは必要でしょう。
いくつかBTOのリンクを貼っておきますね。
最新GPUも格安構成も自由に選べる!パソコン買うならBTOの【FRONTIER】
おしゃれなゲーミングPCで差をつけたい人は【PCショップASP】
BIMやCAD関連だとGPUのメーカーをどこにすべきかという議論がよく出てきますが、主要なBIMソフトであればNVIDIAのGeforceで問題ありません。
NVIDIA Quadroシリーズはデザイン会社など、鮮明な映像やデザインを必要とする場合に必要になりますが、BIMはソフトで作成するグラフィックよりも中身のデータを使う分野なのでGeforceでよいと思います。Quadroはプロ仕様なので高価ですので学生さんには向きません。
VR(Virtual Reality)の研究がしたい
VRに興味がある方はCGやBIMなどにも興味があるかもしれません。
まずは、VR空間でどんな事をしたいか考えるとともに、やりたいコンテンツ作成に必要なスペックを確認しましょう。
例えば、この記事ではCG作成やBIMなどVRと関連の深い項目に関するスペックを紹介しているので再度確認してみてください。

VRの推奨スペックはVRさんぽさんが丁寧にまとめてくれています。
ようこそVRの世界へ!PCの推奨スペックについて調べてみた (vr-sampo.com)
アプリやゲームの開発がしたい

Webアプリを開発したい方はスペックに幅が出てきます。
- Apple製品アプリであればMac一択
- WindowsアプリならWindowsを選ぶべき
- Webアプリは他のやりたい作業に画像・動画編集があればスペックに注意
WindowsでWebアプリ開発をしたい方はこちらを参考にしてください。
- CPU:core i7 10世代以上
- メモリ:16GBで8GB以上は欲しい
他に興味が出そうな作業に合わせてスペックを決めましょう。

ゲームの開発に興味がある方はWindowsにしましょう。UnityやUnreal EngineはWindowsで。
カフェでPC作業(番外編)
カフェで作業したい方はパソコンの重さとディスプレイの大きさに注意です。
Windowsのノートパソコンではハイスペックになるとかなり重くなります。
2kg以上になると持ち運びに不便ですし、画面サイズが15インチ以上になるとカフェで開くには結構大きく感じると思います。
使いたいソフトややってみたい作業に合わせてスペックを決め、見栄えがとっても大事ならばMacbookはよく見かけるので予算に合わせて選びましょう。
PCゲームの腕を磨きたい(番外編)
PCゲームは特に高いスペックが必要です。
スペックが低いパソコンでゲームをする場合、ラグ(遅れ)が発生したりするのでオンラインで不利になります。

高画質なシューティングゲームやアクションゲームが多く、映像描写をよりきれいに遅れなく楽しめるような高性能パソコンが必要になります。
ゲーミングPCというカテゴリのパソコンが必要で、BTOでのデスクトップパソコンがコスパが高いです。
わたしが持っているでも対応できますが、もう一段階上のパソコンが必要になるソフトが多いので最低20万円程度は必要になります。
BTOメーカーの担当の方は相談に乗ってくれるので、この記事の中のリンクから公式サイトへ移動して問い合わせてみるのもアリです。
まとめ:建築学生が購入すべきパソコンはやりたいことによって変わる

建築学生向けに、やりたいこと別の必要パソコンスペックについて紹介しました。
厳密にそうでなければならないというスペックではなく、快適に作業するために私だったらどうするかなという視点で書いています。

最後のまとめとして、注意が必要なところをおさらいします。
比較的低スペックでよいのはグラフィックデザインです。Adobe Illustratorが動けばいいというのであればそこまで高いパソコンは必要ではありません。
しかし、CC制作・動画制作・高度なプログラミングなど他に興味が出そうな作業がある場合は、少し高いスペックのパソコンを準備すべきです。
それぞれに必要なスペックと合わせて、同時にソフトを立ち上げたりする作業の仕方をするかもという方はメモリに余裕を持っておくと急に重くなって作業ができない…という事態を回避できます!

紹介した項目の中では、CG制作・動画編集・機械学習の分野が特に高いスペックを必要とするケースがあります。
たくさんありすぎてよく分かんない!!!って方は予算20万円程度でこのパソコンを探しましょう。
- OS:Windows 10 Pro
- CPU:Intel Core i7-10700K
- メモリ:32GB
- GPU:GeForce RTX 3060 Ti
- SSD:512GB
Apple製品関連の開発以外であればほとんどの事に対応できます。おすすめの高コスパモデルはこちらです。
画像クリックで詳細を確認できます
OS | Windows 10 Home 64bit(Proにアップグレード可能) |
CPU | インテル® Core™ i7-11700F |
ディスプレイ | 15.6インチ |
GPU | AMD Radeon RX 6600 |
メモリ | 16 GB(32GBにアップグレード可能) |
ストレージ | 512GB M.2 NVMe SSD / 1TB HDD |
学生さんはこちらからもお得です。

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