建築業界でもハイスペックなパソコンを必要とするソフトが増えてきています。
例えば、BIMを始めたい方はRevitやArchicadなどのBIMソフト、Rhinocerosや3dsmaxやHoudiniなどの3DCG・3DCADソフトがあります。
これらのソフトウェアは建築生産活動のデジタル化を推し進めてくれますが、始めたての時はとにかく情報がなくて「どうやって始めたらよいか分からない」という方も少なくありません。

デジタル化を始める時はたくさんの分からない事があるかもしれませんが、今回は「PCを買うときに知っておきたいBTOショップ」について紹介します。
私もそうだったのですが、「どんなPCを買えばよいか分からない」のが最初の壁だと思います。
そんなパソコン初心者の悩みを解消してくれたのがBTO(Build To Order)ショップです。
BTOはこんなソフトを使いたい人に向いています。
- Rhinoceros
- Autodesk Revit
- 3ds max
- blender
- Unreal Engine
個人的にはBTOで検討しないまま、量販店でPCを買う事は今後しないと思います。
この記事を読めば、「BTOがどんなサービスか、BTOで買えるPCはどんなものか、BTOに向いている人はどんな人か」など網羅的に理解できます。
BTOショップとは?

BTOはBuild to Orderの略です。
具体的には「パソコンを購入したい人がパーツの組み合わせを注文、ショップが組み立てて販売する」サービスです。

パーツの組み合わせを注文するのって結構ハードル高いですよね…

その気持ちわかります。
でも、自分が使いたいソフトと作業の快適さを考えれば実はそんなに選択肢多くないんです。
BTOの大きなメリット
BTOの大きなメリットは「自分の手に入れたいスペックをなんとなく理解していれば、自作PCを組むことはできなくてもハイスペックPCを比較的おさえめな価格で購入できる」ことにあります。
スペックを決めるために最低でも次の情報を知っていれば注文できます。
- CPU
- GPU
- メモリ
- ストレージ
注文の流れに特徴がある
BTOショップで注文する時はショップ側が用意してくれている「基本セット」をカスタマイズするイメージで注文します。

例えばPCの処理速度を左右するCPUを選ぶ時、BTOの注文画面ではこんな文字が出てきます。

基本セットのパーツは「インテル Core i7-11700F」で、性能を上げる場合の選択肢と、どの程度金額が上がるかが表示されます。
基本セットはそのままでも使用できますが、使い方に合わせてパーツのスペックを上げるなどカスタマイズできるので希望通りの環境を手に入れることができます。

「自分が使いたいソフトと作業の快適さ」が決まるとある程度パーツ選びは決まってくるので、実際に自作PCを作れるほどにハードウェアの知識がなくても注文できるのがいい所ですね。
BTOショップではハードウェアの知識を持っているプロフェッショナルに相談できるので、自分が考えているスペックに不安があればまずは話を聞いてみるところから始めると心配事が減ります。
BTOショップではどんなPCを買うことができるか
BTOショップでは低価格・低スペックのPCからハイスペックのPCまで購入できます。
ここでいう低価格・低スペックとはプログラミングや3Dソフトなどでの作業を想定しない方向けのスペックで、例えばMicrosoft Officeなどの基本的なツールを使うユーザー向けのPCを指します。
もちろんデスクトップもノートパソコンも購入できますので、持ち運んで資料確認やネットサーフィンなどの一般的な使い方から、オフィスや自宅に置いてがっつりと開発したりBIMソフトを使ったりするようなPCまで幅広く対応しています。

何でも買えますが、用途に合わせたスペックを理解していることが前提です。
スペックに関するちょっとした理解さえあれば、自分に合う環境を手間なくリーズナブルに手に入れることができます。
BTOショップに向いている人と向いていない人

BTOは「ユーザーが注文してショップが組み立てる」という特性上、向いている人と向いていない人にはっきり分かれます。
向いている人の特徴は次の通りです。
- なるべく手間を減らしたい人
- 自作できるほどハードウェアの知識はない
- 自分の用途に合わせたスペックがある程度わかる
- ハイスペックPCをリーズナブルな価格で手に入れたい

どんなソフトを使うかはっきりしてるとBTOとの相性がいいと思います。
逆にBTOショップに向いていない人は次の特徴があります。
- PCの知識が全くない
- 自分でPCパーツを買って組み立てたい
- Macが欲しい人

少しだけハードウェアに関する知識が必要になるので全く知識がない人には向いていません。
一方で、PCを自分で組み上げたい人にも向いていません。
とはいえ、ハードウェアに関する知識は深いものではなく、3DCGソフトを使うためにはある程度のGPUがないといけない等の基本的な知識があれば問題ないようにも感じます。
細かいスペックが気になる人は調べたり、ショップの方に相談するなどしながら進めていけばそこまでハードルが高いようなことではないので安心してくださいね。
建築業界のデジタル化、どれくらいのスペックのPCを買えばいい?
一概には言えませんが、使うソフトによってある程度絞られると思います。
例えば次の質問を見て下さい。
- 3DCGソフトを使うか
- BIMソフトを使うか
- グラフィック・動画編集をするか
- ゲームエンジンを使うか
これらに少しでも当てはまるようならいわゆるハイスペックPCが必要になります。つまり、グラフィックボードを搭載したパソコンを購入するべきという事です。
10万円以下のPCにはグラフィックボードが搭載されていない場合が多く、仮に搭載されていても上に挙げたソフトウェアが動かない仕様の可能性が高いです。

建築業界のデジタル化ではほとんどの場合上に挙げたソフトウェアを使用するので、具体的なソフト名からスペックを見ていくことが必要です。
例えばRhino(ライノ)を使いたいと考えている人は次の記事が参考になります。
BTOで20万円で購入できるデスクトップPCで快適さを検証してみたのですが、20万円程度(構成は下記参照)であれば超大型物件でもない限り全く問題ありません。
記事内で紹介しているPCの構成
- OS:Windows 10 Pro
- CPU:Intel Core i7-10700K
- メモリ:32GB
- GPU:GeForce RTX 3060 Ti
- SSD:512GB
- HDD:なし
建築業界のソフトはWindowsメインがほとんどなので、30万円のMacを買って後から後悔するなら、20万円前後のWindowsを使い倒しましょう。
例えば次のようなBTOであれば同じような価格帯で同スペックのPCを手に入れることができます。

この記事を作成したタイミングでのおすすめBTOショップで購入できる20万円台のパソコンを選んでみましたので参考にしてみてください。
スペックとしては、検証記事で使用したスペックと同等品以上を目指しています。
2021年10月時点でのFRONTIERのおすすめPCはこちらです。
↑画像クリックで商品の詳細を見ることができます。
FRONTIERは少しずつ知名度が上がってきているBTOショップで、電源装置に国内産の高品質なパーツを使用するなど部品選びにもこだわっていたり、組み立ても国内で(山口県)行っているのも印象がいいです。
まとめ:BTOショップは建築のデジタル化の強力なパートナー
今回はBTOショップがどういうものか説明しました。
建築業界でよく使われているBIMツールやライノなどのデジタルツールを使おう思うと、それなりに高性能なパソコンが必要になります。
BTOショップで手に入れられるパソコンによって、簡単に安定性のあるデジタル環境を時間をかけることなく作ることができるので、とてもおすすめです。

個人的には、環境構築に時間をかけるよりも「デジタルツールを使って自分たちの生産活動を向上させる」ことに時間を割くことを優先すべきと思います。
即実践を叶えるべく、BTOショップを選択肢の一つに入れる事はとっても有意義だと思います。
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