急速なBIM普及を受けて、急にRevitを使用するようになった方は何から手を付けたらよいかわからないかもしれません。
その影響もあってか私がRevitを使い始めたら頃には考えられないほど独学本が増えました。実際に中身を読んでみておすすめの本と推しポイントを紹介します。
この記事では、「RevitとDynamoを独学で習得するためのおすすめ書籍、読み終えた後に取り組むべきアクション」を理解することができます。
紹介する本は目次をご覧ください。
RevitとDynamoの基礎固め用のおすすめ本と特徴
本のメリットは「ある程度人の目を通過して編集された情報がまとまっている」ところです。手元に置いておくと、その周辺の知識も得られます。読み物は電子書籍を買いますが、こういうマニュアル本だったりは紙で買うようにしています。
今回は建築・構造・設備だけでなく、土木分野のRevit本も紹介します。
Autodesk Revit公式トレーニングガイド
Autodesk監修のトレーニングガイド。AutodeskはAutoCADのベンダーでもあるので2Dから解説が始まりますが、移行するための対比として理解しやすいのかもしれません。
Autodeskには豊富なWebコンテンツがありますが、パッと手に取って確認できるので基礎が固まってないときの公式ガイドとしてあるとよいです。自分で進められるので会社でもよく紹介しています。
- Autodesk監修の安心感
- 0から始めてもちゃんと理解できる
- 迷ったらこれで網羅的に基礎を学べるマニュアル的書籍
Autodesk Revit標準アドオンDynamoトレーニング
こちらもAutodesk監修です。DynamoについてはDynamo Primerというかなりためになるサイトがあるのですが、それと合わせてこのトレーニング本をやると理解が深まります。
Excelとの連携だけでもかなりためになります。データ活用の大きな一歩となることは間違いないです。
Dynamoを使用するためのUIの説明がとーーーってもしっかりしていてかなりためになる。
独学で身に着けた方は2章を読むと発見があるかも。
- Autodesk監修の安心感
- Dynamo Primerと一緒にやるとDynamoの基礎完ぺきでは?
- データ連携への一歩
Computational BIM with Dynamo+Revit Dynamo+RevitではじめるコンピュテーショナルBIM
Grasshopperのクックブックも執筆されている石津優子さんですが、もちろんRevitとDynamoについてもエキスパートなので同ソフトの書籍も執筆されています。
「DXを推し進めるための実践知識」と銘打たれていますが、実践だけでなくビジュアルプログラミング初心者がつまずきやすいDynamoの仕組みから解説されているので、まさしく独学できる書籍です。
Dynamoの使い方を理解した後はRevit内にためこんでいるデータの利用方法や、外部データを取り込んでDynamo内で処理を行いRevitモデルに反映させる実践的な内容まで詰め込まれています。
ソフトの使い方にとどまらず、0から始めて実務で使うところまでスムーズに移行できるのですごくいいなと思います。
Autodesk Revit 2019 Fundamentals シリーズ
ここまでボリュームのある解説本はありません。シリーズといているのは「意匠・構造・設備」の3冊に分けてRevitの使い方をまとめています。
個人で買わなくてもよいのかなとも思いますが、自分の専門分野のものを持っておくと辞書的に使えるので便利です。会社に1冊置いておけば、ぱらぱらとめくると便利な機能に出会えます。
- ボリュームのあるガイドブック的な立ち位置
- 会社に一つあるとかなり便利
BIMをもっと活用したい人のためのAutodesk Revitファミリ入門
Revitを使えるという人の中にも細かくレベルわけができると思います。習熟度の違いでまず違いが分かりやすいものが「ファミリを作成できるか」どうかです。
ファミリはとっつきにくいのに重要度が高いから1冊くらい読むと自信がつきます。
そこそこBIMの経験がある組織の中にいるとすでに整えられたテンプレートがある場合が多いです。そのため、ファミリを作成できなくても何とかなるのですが、導入して間もない場合はそうもいきません。
業界で統一された規格がないですし完全なものはすぐできないので、ファミリを調整する力は必要です。ファミリ作成はプロジェクトと少し勝手が違うのでこの本から始めると入りやすいと思います。
- ファミリ作成のいろはを理解できる
- 窓などの複雑なファミリまでカバー
土木技術者のためのRevit入門
Revitユーザーの中には土木技術者の方もいると思います。CIMについて書かれた書籍はあまり見たことがないのですが、土木系のソフトウェアであるCivil 3Dとのデータ連携についても書かれています。
土木系は複雑な地形データに合わせてモデリングを行うので、Civil 3DやInfraWorksや3DS maxなど様々なソフトウェアを使いこなすデジタワークフローで大きく効果を発揮します。
基礎固めとして土木分野でのRevitの使い方をこの本で身に着けましょう。
- Revitを使ってCIMを始めるための1冊
- 土木で使われている他のソフトウェアとの連携方法を知ることができる
おすすめ本を終えた後のアクション
本やチュートリアルを終えたらスタートラインに立ったイメージです。これから何をするかが重要です。
ただソフトウェアを知っている人から抜け出すには次のことが必要です。
- 実務のプロセスの中に新しいソフトウェアを取り込む
- Dynamoで自動化に慣れる
- ソフトウェアなどの新しい技術の情報に敏感になる
- 自らも新しい情報を作る側になる
実務でソフトウェアを使う
建築に限った話ではないですが物事は複数の人間やシステムによって成り立っています。より広く影響を与えるために実務環境の中でソフトウェアの使い方を模索する必要があります。
いくらソフトウェアを使えても自分の所属する社会の役に立たないのであれば意味がありません。ソフトウェアによって仕組みを作ったり試行錯誤をすることで、チュートリアルでは得られない経験を積みましょう。
Dynamoで自動化に慣れる
Revitを習得した後はDynamoで作業を自動化することをお勧めします。
DynamoではRevitで頻繁に行う作業を簡単に自動化できるので、すぐに効率化につなげられます。
Dynamoの書籍でおすすめなのは次の2冊です。
このDynamoトレーニングでDynamoの基礎を身に着けた後は次の本です。
実務で即使えるレシピがたくさん載っています。Grassshopperのレシピも載っているので使える方はマストバイです。
当サイトのチュートリアルも参考にしてみてください。
日々更新されるソフトウェア関連の新しい情報を集める
変化を起こすためには新しい情報に敏感である必要があります。そして、一見自分には関係なさそうなところからも情報を得るように心がけると面白い発見があると思います。
ゲーム業界だったり、ほかの製造業だったり、特にデジタルツールを使っているところに耳を傾けると、新鮮かつ活用できる情報に何度も遭遇します。
建築業界の情報はもちろん多方面に目を向けていくことは今後より重要になると思います。
SNSやブログなどで自ら発信する
自分の意見を発信していると、いろんな反応を得ることができます。
同意を得ることも大事ですが、反対の意見も同じように意味があります。自分の中では当たり前のことでもほかの方からするとそうでない場面があります。発見の経験は非常に有意義です。
情報発信することで逆に情報を集めやすくなりますし、新しいツールの役立て方をひらめくこともあると思います。
紹介した3つを意識して努力し続けていけば社会に変化を起こす人材を目指せるのではないかと思います。
- 実務のプロセスの中に新しいソフトウェアを取り込む
- ソフトウェアなどの新しい技術の情報に敏感になる
- 自らも新しい情報を作る側になる
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