- 建築業界気になるけどやっぱりブラックなのかな?
- 転職するなら建築業界以外の方がいいのかな?
業界選びで人生はガラッと変わるので、就職や転職を考えている人にとって大きな悩みですよね。
やっていけるか心配。入って後悔したらどうしよう…
入らないと分からないことばっかだから、不安になる気持ちわかります。
この記事では、「建築業界はやめておけ」と言われる理由について、建築業界の中の人が感じていることや経験したことをもとに説明します。
言いたい事をかんたんにまとめると、【建築業界で働くのって悪くないよ】って事です。
panna(パンナ)| 建築デジタルの専門家
大学院で建築学を専攻し、修了後は設計事務所へ入所。その後デベロッパーなどを経由してBIMのお仕事をしています。複数回の転職経験をもとに転職に役立つ記事をまとめています。
建築業界はやめておけと言われる理由
よく言われる理由としては次の4つがあります。
- 勤務時間が長く休みが取れない
- 仕事の難易度が高く責任が重い
- 業務の手戻りがとにかく多い
- 業界の体質が古い
これだけ聞くとすごくきつそう…
勤務時間が長く休みが取れない
建築業界の仕事の中には、一日の勤務時間が長く休日も働かなければならない傾向にある仕事があります。
中でも施工管理・設計の中にはかなり長い時間働く人がいます。
私も月に100時間以上残業していました。かなりしんどかったです…
長期休暇や年末年始を会社で過ごした事もあります。
やっぱり超ブラックなんだ!
今は全然そんなことないし、働き方や会社や職業によるところが大きいです。
厚生労働省の建築業界全体のデータでは、令和2年度は月の総実労働時間は17分類中ワーストではあるものの、そこまで長い勤務時間ではありません。
建設業 (建築業界) | 鉱業,砕石業, 砂利採取業 | 電気・ガス・ 熱供給, 水道業 | |
総実労働時間 | 168.8 | 159.7 | 156.4 |
所定外労働時間 | 19.3 | 14.9 | 17.4 |
30人以上の事業所/令和2年度/厚生労働省(外部サイト)
月の残業時間が約20時間で、完全週休二日制を取っていない会社の割合がそこそこ高いっていうイメージです。
総実労働時間:所定内労働時間(事業所就業規則で定められた始業時刻と終業時刻との間の休憩時間を除いた実労働時間)と所定外労働時間(早出、残業、休日出勤等により行った実労働時間)との合計。
電機連合(外部サイト)
仕事の難易度が高く責任が重い
建築業界の人は社会的な資産である建物を建てるために日々働いています。
建物は大体の場合、一つ一つ形や条件が異なる一品生産です。
もっとデジタル化が進めば同じものを大量に生産する時代が来るかもしれません。
そのため、長い間働いている人でも初めて経験することが出てくるので、時にはとっても難しい課題に直面します。
建物はたくさんの人が使うので、もしミスがあった場合はとっても大きな影響が出るため、社会に対して大きな責任感を持って仕事をしています。
むずかしくて責任ばかりでは心が持たないかも…
月並みだけど、自分がかかわった建物が建ったときの達成感はなかなか代えがたい経験ですよ。
それに、初めての事はだいたい毎回出てくるけど、一つの建物でたくさんの知識やスキルが身に付くので、蓄積される経験のほうが大きいのかなと思います。
業務の手戻りがとにかく多い
とってもたくさんの事を考えて仕事をしているので日常的に手戻りが出ます。
スケジュールが厳しくてチーム内で上手く足並みがそろわない時は特に手戻りが多くなってしまうことも。
同じことを何回もやらないといけないのは困る。
ここ数年で建築業界にもデジタル化の波が少しずつ押し寄せています。
国土交通省でも建築業界のデジタル化を推し進める取り組み(BIM推進会議など)が行われていますし、現場レベルでもデジタルツールを使える人材が増えている印象があります。
建築デジタルスキルを習得する目的を知りたい方はこちらの記事にまとめています。
業界の体質が古い
建築業界で働く人の中には、古い考え方を持っている人・企業があります。
例えばこんな考えの方です。
- 長時間働かないと良いものはできない
- 育児休暇なんて取ったら出世できない
- 社員は会社のためだけに生きている
- デジタルツールはズルやサボるためのもの
え、しんど…
はっきり言う人はほぼいないけど、心の底で考えてる人はいるかも。
案件ごとに初めて経験することがあったり一品生産なので、この中では「たくさん仕事に時間を割くことが絶対的に正しいと考える人」が多いかもしれません。
やればやるだけスキルが上がるのは一理あるのですが、心身ともに疲れた状態での努力は続きません。
ライフワークバランスなんて言葉があるように、仕事以外の時間も充実させてこそいい仕事ができるという考えも広がり、大きい会社ほど育児休暇などを取得する人の割合も増えています。
建築業界でそれなりにうまく働くコツを考えてみた
会社の方針や働き方によっては、長時間勤務によってすごく大変な思いをしてしまうのが建築業界です。
どうしたら上手に働けるか知りたい。
建築業界で働く経験を振り返って考えてみました。
- 残業は避けられないけど常態化させない!
- 現状を変えるためにスキルアップする!
- 変えられるコトと変えられないコトを理解する!
超簡単に一言で言うと、「時間を確保し、できる限り環境改善し、それでもだめならステップアップ」という事です。
残業は避けられないけど常態化させない!
これまで説明したように、建築業界で働く人は初めての課題に直面したり、大きな社会的責任を感じながら過ごしています。
でも全部を抱えようとしてしまうともたないよね…
同じ会社で働く人や協力会社の方々にとって、あなたは大事なビジネスパートナーです。
困った時やもう本当に無理になりそうなときは迷わず助けを求めましょう。
逆に自分に余裕がある時は人を助ける余裕をもって、チーム全体で頑張り時を見誤らないように働くようにすると、残業の常態化を避けやすいです。
現状を変えるためにスキルアップする!
チームのため、自分のため、家族のため、どんな動機でもいいのですが、今あるあんまり良くない状態を変えるためにデジタルツールを身につけましょう。
話は分かるけどそんな余裕ない…
そういう時は絶対頑張らなくていいです!すでにもう頑張ってますから。
「あ、今週ちょっと余裕あるな」ってタイミングがあれば、使ったことが無いツールを習得してみましょう。
なるべく短期間で習得して業務で使ってみてください。小さな時間の積み重ねは、時に大きな変化を生みます!
でも絶対に無理はしないでください。あくまでも余裕がある時に。
変えられるコトと変えられないコトを理解する!
少しずつ時間を作って業務の中でデジタルツールで変化を起こしていくと気が付くことがあります。
自分の力だけではどうしても変えられないものがあります。
例えばこんなものはいくら頑張っても変えにくい、というか変えられないものだと思った方がいいです。
- 同僚・上司とウマが合わない
- 会社の業績が悪くて給料が割に合わない
- これまでに努力しても変えられなかったこと
人間関係や所属している会社については自分の力だけではなかなか解決できません。
それでもあきらめまいと変化を起こすために取り組んだ結果、どうしても変えられなかったこともあると思います。
現状を変えるために努力した人はその過程で確実に成長しています。
どうしても変えられないことに一喜一憂する時間はもったいないです。
転職を何回も経験したからこそ分かるのですが、少しの勇気をもって職場を変えれば、すべてが変わると言っても過言ではありません。
給料体系も人間関係も自分のスキルの活かし方もすべてが変わります。
ただ、やってみて分かったのは【逃げる転職は繰り返さない方がいい】という事です。
転職をするのであれば、頑張った経験を活かしてステップアップを目指したいですね。
まとめ:多少の努力が嫌じゃなければ建築業界は悪くない業界
「建築業界はやめておけ」と言われる理由について、建築業界で働く立場から考えてみました。
- 勤務時間が長く休みが取れない
- 仕事の難易度が高く責任が重い
- 業務の手戻りがとにかく多い
- 業界の体質が古い
建築業界は社会的責任を感じながら達成感のある仕事ができるんだね。
デジタル化という理由のうしろにある良い変化も感じられた。
また、「それなりにうまく働くコツ」についても説明しました。
- 残業は避けられないけど常態化させない!
- 現状を変えるためにスキルアップする!
- 変えられるコトと変えられないコトを理解する!
仕事は仕事。自分の時間を作って余裕があればスキルアップもおすすめです。
効率よくスキルアップするための学習リソースを知りたい場合は、次の記事をまとめています。
トップページには「デジタルツールを学ぶ人のスキルやキャリアの悩み解決ガイド」もあるので是非見て行ってください。
毎日忙しくて時間がなくても進められる転職活動の方法を知りたい方はこちらが参考になります。
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